生後8ヶ月の息子がではなく、俺が、縄跳びの練習を始めた。
きっかけは、テレビ「リンカーン」の最終回の放送で、
芸人が縄跳びの二重跳びをしているのを見たこと。
二重跳びをしていた芸人たちはおっさん芸人だからか、
みんな0回か飛べても1回だったが、
そういや俺は小学生の時から飛べても1回だったなと思い、
大人になったらできるようになっているんじゃないかという淡い期待をして、
早速、Amazonでポチリ、夜の公園で二重跳びを始めた。
だが、そんな淡い期待と裏腹に、現実は残酷なものだ。
結果は、小学生の時と変わらず、0回か1回。
俺が昔夢見た大人というものはこんなに無力なんだろうか。
さらに、俺が縄跳びをすると、息子が爆笑する。
俺の滑稽な姿がツボなんだろうか。
尋常じゃないくらいの爆笑だ。
夜の公園に響き渡る笑い声。
次第に、心が折れそうになる。
一方、妻は軽やかに5回以上連続で二重跳びをしていた。あっちの方が年上なのに。
この世には、2種類の人間がいる。
二重跳びを軽やかに飛ぶ人間と、二重跳びをすると子供から嘲笑を受ける人間。
息子は前者であってほしいと心に祈りながら、そっと縄跳びを置いた。